大人になって始める

「大人でも弾けるようになる?」ナドナド、よく尋ねられる質問を集めてみました。

大人でも弾けるようになるの? ーー確かに切実な疑問ですよね!大人になってからヴァイオリンを始める場合も、こどもの場合と同様に、プラスとマイナスの両方の要素があります。。。と書いて、プラスとマイナスとどちらから書き始めたら良いものやら、ちょっと考えてしまいますが、とりあえずプラスから!

最大のプラス要素は、自分の意志でやっていることだと思います。何が目的で始めるのか?おそらくは音楽が好きで、生活に潤いを、人生により豊かに過ごすためという方がほとんどではないでしょうか。根気づよく続ければ、達成できることも多いと思います。また、大人は理解力があるので、練習を効率的に行うことができるのは大きなメリットと言えるでしょう。以前ピアノなど楽器を習った経験のある方ならば、既にある程度は音感が身に付いているので、その分ハードルは低くなります。マイナス面としては、やはりこどもとは同じゴールを目指せないことです。耳や指などの身体機能が発達途中のこどもは、才能があって、努力できる子ならば、かなり高度な曲でも弾けるようになります。大人の生徒さんは、スクスク上達する子を見て、やはり違うのだなという感想を持たれます。でも、だからと言って、もうやめようと思う方はいらっしゃいません。着実に弾けるようになるように、精一杯お手伝いしますね!

大人でも弾けるようになるの?(その2)

大人でも弾けるようになるの? ――この疑問は、「ヴァイオリンを習いたいけれど、どうしよう」と躊躇する大人のかたにとっては、もしかしたらとっても切実なのではないかと思い、もう一歩進んで答えることにしました。 ヴァイオリン教室の宣伝文句に、「大人でも弾けるようになります!」と、よくありますよね。この真偽はいかに?二者択一ならば、確かに弾けるようになります。ただわたしには、このような宣伝文句はとても無責任に響くのです。だって「きらきら星」や「かえるの歌」が弾けたって、弾けることには変わりないのですから!そのくらいの曲を弾けるようになったからといって、満足する大人はいませんよね。大好きなメロディーを美しく奏でてウットリ・・・みんなそんな気分になりたいに決まっている!!本当は「いったいどの程度まで?」というのが、一番知りたいところではないでしょうか?茶道や華道のように、身体機能がそれほど重要でない習い事ならともかく、見るからに難しいヴァイオリンという楽器を、指も固い、音感の面でもやや不安な大人が、どのくらい弾けるようになるのか?英語のネイティヴ発音を目指す方が、もしかしたらもう少し現実的なのではないだろうか?・・・これから習い始めようと考える人たちにとって、大きな疑問であるのは当然です。大人とひとくくりに言っても、年代差も大きいでしょう。おそらく20代までなら、どんな人でもうんと熱心に練習すれば「タイースの瞑想曲」などのいわゆる名曲のうちの技巧的ではない曲を、立派に弾けるようになります。ただバッハの「シャコンヌ」や、ほとんどの「ヴァイオリン協奏曲」は、夢として大切に取っておいてください。(第二楽章だけならば、弾けるかも!)でも、このくらい弾ければ、オーケストラや室内楽にもどんどん挑戦していけますし、かなり楽しめます。30代以降になると、はあえて書きません。それというのも年齢より、実は指や体の柔軟度、耳の聴こえ方などの個人差が大きいと思います。「タイースの瞑想曲」はオリジナルではかなり厳しい!でも簡単な指使いを選んだり、シンプルに書き直されているヴァージョンの楽譜を使うことによって演奏することができるように、練習次第・教師次第でなると思います。是非根気づよく、頑張ってください!

ただ実際、大人でも弾けるようになるの?(その3)

そうなのです、問題はそこなのです。子供時代にヴァイオリンを習っていた方と、全く習ったことがない方とではかなり違って、全く習ったことがない方にとっては、状況は厳しいです。身体的な問題もありますし、なんと言っても皆さんお忙しい!ヴァイオリンは、練習ありき、の楽器です。大人で習い始めた方全員が口にされるのが「元々簡単に弾けるようになるとは思っていなかったけれど、ここまで難しいとは思わなかった」という言葉です。聴くのと弾くのでは大違いなのです。練習時間が取れないままレッスンを受けるだけで、弾けるような楽器ではありません。練習のための時間と場所を確保できるのか、よくよく考えることを強くお勧めします!

楽器はどうすればいいの?

楽器はどうすればいいの?ーーとりあえず自分ひとりで決断せずに、ご相談ください。ヴァイオリンには大人用のフルサイズの楽器とこども用の分数サイズの楽器があります。フルサイズはピンからキリまでありますので、予算に合せて見つけることができます。

使う教材は?

使う教材は? ーー生徒さんに会って、その方にいちばん相応しいと思う教材を勧めます。ヴァイオリンはピアノ伴奏付き、弦楽合奏、オーケストラと色々なアンサンブルが楽しめる楽器なので、レッスンでもわたしとヴァイオリンデュオを弾けるような曲を、できるだけ多く選ぶようにしています。発表会で他の生徒さんとアンサンブルを弾く機会もあります。

レッスンは何曜日に?

何曜日にやっていますか?ーー当教室では曜日や時間を固定せず、レッスンに来た時に、双方の都合に合わせて次のレッスンの日時を決める方式にしています。それが問題になったことは、不思議なことにこれまで一回もありません。曜日・時間固定ですと、生徒さんの側は他の用事が入る度にレッスンをお休みすることになり、私も演奏やレクチャーのお仕事に支障が出てしまいます。それを避けられるので、結果的に生徒さんたちのレッスン出席率は非常に高く満足されているようです。特に定休日はなく土日祭日も行っています。

レッスンの時間は?

レッスンの時間は? ーー1レッスン60分です。初心者にとっては長いのでは?と思われるかもしれませんが、レッスン室に入って楽器をケースから出して、チューニングをしてetc.それだけで10分くらいかかってしまう場合もあるのです。またレッスンでは一緒に音楽の話をすることもあるし、中には相談事を抱えてくる生徒さんもいます。だからおしゃべりする時間も計算に入れると、60分だと時間は足りないくらいです(汗)。熱心に練習をしてくる生徒さんの場合はもっと長くかかります。

ヴァイオリン上達の秘訣

ヴァイオリン上達の秘訣って?ーーそれは「基礎力」なのです。その「基礎力」は先生と生徒が根気づよく向き合って初めて身に付くもので、その過程なしには上達はなかなか難しいのが現実です。でもよい指導者に恵まれて、本人が努力すれば必ず身に付きますよ。

どんな先生に習ったらいいの?

どんな先生に習ったらいいの?ーーわたしの教室には、他の先生のもとで数年間学んだ後に「あまり上手になれないような気がするのです」と言ってやってきた生徒さんが何人もいました。小学校低学年から大人の生徒さんまでいろいろです。

この方達が、うまく弾けるようにならなかった理由は何だと思いますか?原因は「悪いクセ」を身につけてしまっていることなのです。そのクセを取り除くには、かなり長い期間が必要、とても大変です。ちいさなこどもであればあるほど深く吸収してしまっているので、問題は根深いです。。。ただ、他の先生についた経験があっても、そのような傾向はあまり見られない生徒さんもいます。どうして、このような差が生まれるのでしょうか?要因はいくつも考えられますが、先生の指導力の違い、レッスンの受け方や練習の内容が大きいでしょう。スクスクと上達したいのならば、30分、40分のレッスンでは足りません。なぜならヴァイオリンは、レッスン前の準備(ケースから楽器を取り出し、弓を張り、チューニングをしてetc.)つまり弾ける様な態勢になるまでに時間がかかるので、30分レッスンならば実質20分程度しかレッスンを受けられないからです。学校の授業時間を振り返ってみても、30分、40分ってとても短いですね。また、グループレッスンも同様のことが言えます。全くの初心者をいっぺんに何人も教えて、ちゃんと弾けるようにさせるなんて、どんな名教師にとっても不可能です。ひとりひとりの音を聞き分けたり、そもそも丁寧に教える余裕はないからです。そして先ほども述べた通り、悪いクセを取るのはとても大変です。アンサンブルは絶対にやっていただきたいです。でも、基礎的なことをある程度身につけてからトライしたほうが、長い目で見たらよほど楽しめるでしょう。もちろん大手の音楽教室にも指導力のある先生はいらっしゃいますし、個人の先生が良い先生かというと、そうとは限りません。良い指導者であるためには、指導経験と、教えるセンス、そして熱意があることが必須条件です。

音大卒業して間もない頃、短期間でしたが楽器店が経営する音楽教室で教えた経験があります。せっかくヴァイオリンが大好きな生徒さん、才能のある生徒さんがレッスンに来てくれても、時間も足りない、指導方法も不確かで、思うように上達させてあげられなくて、とても歯がゆい思いをしました。生徒さんにとって時間的にも金銭的にも、もったいなかったかもしれません。生徒さんの才能を伸ばし、楽しくヴァイオリンを弾けるようになってもらいたかったので、一生懸命勉強しようと心に決めました。

話は戻りますが、つまり最初に習う先生が、(大人であろうとこどもであろうと)生徒さんの将来の演奏を決定づけてしまう部分があります。だから最初の先生は慎重に選ぶくらいが丁度よいのです。ただ、実は教えるのが上手なだけではダメなのです。最も大切なのは、生徒さんとの相性の合う先生であることなのです。レッスンに行くのが楽しみ、というくらいでないと続けられませんからね。体験レッスンやレッスン見学に行って、直感的に選ぶのが一番間違いないようです。わたしは趣味の大人でもちいさな子どもでも大歓迎です。遠慮なく相談してくださいね。

レッスン料は?

レッスン料は?ーーレヴェルや回数によって異なってくるので、生徒さんにお話をうかがってから決めるようにしています。レッスン時間単価は大手音楽教室とあまり変わりありません。