Profile

 

3歳でヴァイオリン を始める。国立音楽大学器楽学科卒業後、渡欧。オーストリア国立ザルツブルク・モーツァルテウム大学修士課程を修了し、マギスターの称号を得る。同大在学中はモーツァルテウム管弦楽団への賛助出演などの活動を通して、クラシック音楽の本場でプロの演奏家としての経験を積む。1996年から一年間カナダ・オタワに留学し、ジョン・カズシ基金助成によるリサイタルシリーズを開催。2001年にオーストリアから東京を拠点に移し、フリーの奏者として、ソロ、室内楽、オーケストラまでこなす。2002年7月に開始した、自ら企画・演奏する“プチ・サロン・コンサート”は、20016年10月までに16回公演を数える。ソロを徳永二男(ソリスト・元NHK交響楽団コンサートマスター)、カルビン・ジープ(元モントリオール交響楽団コンサートマスター)、ユルゲン・ガイゼ、ハラルド・ヘルツル、福崎至佐子、荒井雅至、三浦章宏、室内楽をハーゲン弦楽四重奏団、バロックヴァイオリンをヒロ・クロサキの各氏に師事。敬愛するイヴリー・ギトリスのマスタークラスを受講。ピアノのリサ・スミルノヴァ、ナディア・ルバネンコ、加藤麻里、マリア・ゲネット、ラファエル・ゲーラ、モーツァルテウム管弦楽団主席ソロヴィオラ奏者の加藤順也らと共演。

2007年、現役のヴァイオリニストとして史上初めて東京大学大学院に入学。比較文学比較文化コースに所属。研究テーマは、江戸から昭和初期にかけての日本のヴァイオリン文化。2009年修士課程を修了し(修士論文は『明治期のヴァイオリン文化——楽器の文化的越境性を中心に』)、博士課程に進学。2019年10月に博士号を取得。博士論文は『近代日本のヴァイオリン——それを取り囲む変わり行く社会』。

2022年単著『日本のヴァイオリン史 楽器の誕生から明治維新まで』(青弓社)を出版。『2011年『貴志康一と音楽の近代—ベルリンフィルを指揮した日本人』(青弓社)を編著者として出版。2013年、英国の学術雑誌”Nineteenth Century Music Review” (Cambridge University Press)に論文’A Lost Opportunity for Tradition: The Violin in Early Twentieth-Century Japanese Traditional Music‘が掲載される。2018年には英国オックスフォード大学で開催されたワークショップ「Tanaka Shohei Translation Workshop」に招待されるなど、研究者としての国際的な評価も獲得し始めている。

東京ユニバーサルフィルハーモニー管弦楽団第一ヴァイオリン奏者(2007年〜)、武蔵野大学非常勤講師(2021年〜)、東京大学非常勤講師(2022年〜)を勤めながら、レクチャーコンサートの講師として招聘されたり、各種雑誌にエッセイ、論説、インタビューを執筆するなど、マルチな活動を展開している。