子どものうちに始める(未就学児編)

何才から始められるの? (未就学児編)ーー適齢期はその人それぞれ、でもお子さんの将来の上達を考慮するなら、もっとも適正と考えられる年齢は平均すると小学校入学前の5才前後でしょう。これまでに教えた最も年少のお子さんは2才で、そのお子さんは例外的に受け入れたのですが、基本的に早くて3才からと考えてください。音楽の才能や感性を育てるという面では、スポンジのように吸収できる時期に始めるのは、大きなメリットがあります。ただ、ヴァイオリンは、水泳や習字を習うのと違って、毎日お家で練習しなくてはいけませんし、ピアノと比べても初歩の学びが難しい(これについては下記をご参照ください!)です。未就園児のお稽古事としては最も難しいとお稽古事であるのは間違い無いでしょう。自分から「ヴァイオリン習いたい😊❤️」と言った子でも、自分でヴァイオリンを弾いてみたら、思ったように音が出なくてガッカリしてしまうこともしばしばです。そして、これは知っておいて頂きたいのですが、年少のお子さんがヴァイオリンを始める場合、大変なのは保護者の方です。ちいさな子どもは勿論自分ひとりでは練習できません。練習のための時間を確保したり、練習につきあって「(先生にレッスンで言われたように)こんな風にやってみよう!」「上手に弾けたね!」と励ましながら続けさせる・・・これが親の役目なのです!レッスンでは、父母の方にお家での練習を上手に導くためのアドヴァイスもしますので、安心してください。

あともうひとつ大切なこと。レッスンは単純にヴァイオリンを弾けるようにすることではなく、人を育てることだと思っています。未就学で始めて、10年以上習い続けるお子さんもいます。生徒さんが、それぞれの個性を育みながら素敵な大人になるのを見守り続けることは、私にとって大きな喜びです。安心して預けていただき、保護者の方と一緒にお子さんたちの成長を見守っています。

3歳の子のお母さん、お父さんへーー私の教室では3歳のお子さんから教えています。でも3歳のお子さんでレッスンを始められるのは、ごくわずかです。大抵のお子さんは、3歳では、まだ直ぐに始められる程には成長していません。レッスン見学にいらしていただいて会ってみて、まだ小さいけれど、この子なら大丈夫だ、お引き受けしようと私が決意できた場合は、3歳でも喜んでお受けします。3歳で開始してスクスク上達して、小学校に入る前からコンクールで賞を取り始める子もいます。でも大抵の場合は、もう少し待ってから始めるようにお話ししています。早くからやらせるのがいい、と思って始めさせてみたら逆効果で、いつまで経ってもレッスンをまともに受けられるようにならない、最後はヴァイオリンを嫌いになってしまった・・・という話はいくらでもあるのですよ!言葉が通じる(片言ではなく、易しい言葉遣いをすればコミュニケーションが取れる程度)、先生の言うことを素直に受け入れられる(嫌と言って拒絶しない)、この2点が守れないうちは、どんな名教師だってヴァイオリンを教えることはできませんし、その段階で習ってもメリットはないと言って過言でありません。つまり、赤ちゃんっぽさが残るうちは、例え4歳であっても、5歳であっても、まだ時期ではないのです。お断りするのは非常に心苦しいので、冷静にお子さんの成長段階を見極めてからご連絡くださいますよう、くれぐれもよろしくお願い致します。とにかく、焦りは禁物!!まだ3才!この前、生まれたばかりなのですから!

レッスン見学に来る前にーー以下の2点をお確かめください。①先生にお名前を訊かれた時に自分でお返事ができるかどうか、②レッスン見学の時間中に自分1人で行儀良く椅子に座っていられるかどうか、この2つを守ることができるように準備してください。もしまだできなさそうだったら、時間をかけて教えてあげてください。必ずできるようになります。そして、この2つができるようになったら、レッスン見学申し込みのご連絡をください。

楽器はどうすればいいの?ーー楽器はレッスンに来る前に準備しなくて大丈夫です。ヴァイオリンは体の成長に合わせて小さなサイズの楽器から始めて、段々サイズアップしていきます。こども用の小さなサイズの楽器を「分数楽器」、大人用の楽器を「フルサイズ」と呼びます。未就学で開始する場合は1/16サイズ、1/10サイズあたりから始めて、そのあと1/8、1/4、1/2、3/4と変わって、小学校5年〜中学校初年にはフルサイズを演奏するようになります。小学校の間は1、2年に1回はサイズアップすることになるので、結構忙しいですね。分数楽器のサイズは、おおまかにはこどもの身長を目安に選びます。でも実際は、手指の形、腕の長さを見てからでなければ、どのサイズが最適なのか判断できません。これは指導者だからこそできる判断なのです。わたしの教室では、楽器のレンタルや、責任をもって良心的な楽器屋さんを紹介しています。フルサイズの場合も、生徒さんが長く使うものですから生徒さんの立場に立ってずっと好きでいられるような楽器、そして状態のよい楽器を探すお手伝いをしています。価格は分数楽器で5万円程度から、それ以下の楽器は精度が低く、それが上達の妨げになることも多いのでお勧めはしません。例えばチューニングがすぐに狂ってしまう、酷いものだとチューニングがまともにできないものもあります。そうなってくると毎日練習するうちに生徒さんの耳が間違った音程に慣れてしまいますし、レッスン中もチューニングに多くの時間を割かなくてはならなくなってしまい、せっかく習うのに勿体ないな、、、と思うのです。フルサイズならばピンからキリまでありますので、予算に合せて探すことができます。

使う教材は? ーー生徒さんに会って、その方にいちばん相応しいと思う教材を勧めます。ヴァイオリンはピアノ伴奏付き、弦楽合奏、オーケストラと色々なアンサンブルが楽しめる楽器なので、レッスンでもわたしとヴァイオリンデュオを弾けるような曲を、できるだけ多く選ぶようにしています。発表会で他の生徒さんとアンサンブルを弾く機会もあります。幼稚園生でもできますよ!

レッスンは何曜日にやっていますか?ーー特に定休日はありませんし、土日祭日もやっています。ただわたしは演奏のお仕事も行っているので、毎週決まった曜日にレッスンできないのです。レッスンに来た時に次のレッスンの日時を決めるようにしています。でもそれが問題になったことは、不思議なことにこれまで一回もありません。生徒さんたちも、レッスンを休まずに、どうしても出席しなくてはいけない行事を入れることができるので、結果的にレッスン出席率は高くなり満足されているようです。

レッスンの時間は? ーー1レッスン60分です。初心者にとっては長いのでは?と思われるかもしれませんが、レッスン室に入って楽器をケースから出して、チューニングをしてetc.それだけで10分くらいかかってしまう場合もあるのです。「早くして!」のひとこと・・・保護者の方々は日々の生活で言わざるを得ないですが、音楽をする空間ではできるだけ言いたくない言葉です。またレッスンでは一緒に音楽の話をすることもあるし、中には相談事を抱えてくる生徒さんもいます。だからおしゃべりする時間も計算に入れると、60分だと時間は足りないくらいです(汗)。熱心に練習をしてくる生徒さんの場合はもっと長くかかります。未就学児に関しては、30~40分程度から始めます。

レッスン料は?ーーレヴェルや回数によって異なってくるので、生徒さんにお話をうかがってから決めるようにしています。レッスン時間単価は大手音楽教室とあまり変わりありません。

発表会はありますか?ーー年に1回のペースで行っています。他の生徒さんの演奏を聴いたり、一緒にアンサンブルを楽しんだり、子どもたちにとって、そして保護者の方にとっても、思い出深い1日になります。

ヴァイオリン上達の秘訣って?ーーそれは「基礎力」なのです。その「基礎力」は先生と生徒が根気づよく向き合って初めて身に付くもので、その過程なしには上達はなかなか難しいのが現実です。でもよい指導者に恵まれて、本人が努力すれば必ず身に付きますよ。

どんな先生に習ったらいいの?ーーわたしの教室には、他の先生のもとで数年間学んだ後に「あまり上手になれないような気がするのです」と言ってやってきた生徒さんが何人もいました。小学校低学年から大人の生徒さんまでいろいろです。ほとんどは大手音楽教室や、楽器店が経営する音楽教室で習った人たちで、個人の教室で習った方は比較的少ないです。

この方達が、うまく弾けるようにならなかった理由は何だと思いますか?原因は「悪いクセ」を身につけてしまっていることなのです。そのクセを取り除くには、かなり長い期間が必要、とても大変です。ちいさなこどもであればあるほど深く吸収してしまっているので、問題は根深いです。。。ただ、他の先生についた経験があっても、そのような傾向はあまり見られない生徒さんもいます。どうして、このような差が生まれるのでしょうか?要因はいくつも考えられますが、先生の指導力の違い、レッスンの受け方や練習の内容が大きいでしょう。スクスクと上達したいのならば、30分、40分のレッスンでは足りません。なぜならヴァイオリンは、レッスン前の準備(ケースから楽器を取り出し、弓を張り、チューニングをしてetc.)つまり弾ける様な態勢になるまでに時間がかかるので、30分レッスンならば実質20分程度しかレッスンを受けられないからです。学校の授業時間を振り返ってみても、30分、40分ってとても短いですね。また、グループレッスンも同様のことが言えます。全くの初心者をいっぺんに何人も教えて、ちゃんと弾けるようにさせるなんて、どんな名教師にとっても不可能です。ひとりひとりの音を聞き分けたり、そもそも丁寧に教える余裕はないからです。そして先ほども述べた通り、悪いクセを取るのはとても大変です。アンサンブルは絶対にやっていただきたいです。でも、基礎的なことをある程度身につけてからトライしたほうが、長い目で見たらよほど楽しめるでしょう。もちろん大手の音楽教室にも指導力のある先生はいらっしゃいますし、個人の先生が良い先生かというと、そうとは限りません。良い指導者であるためには、指導経験と、教えるセンス、そして熱意があることが必須条件です。

音大卒業して間もない頃、短期間でしたが楽器店が経営する音楽教室で教えた経験があります。せっかくヴァイオリンが大好きな生徒さん、才能のある生徒さんがレッスンに来てくれても、時間も足りない、指導方法も不確かで、思うように上達させてあげられなくて、とても歯がゆい思いをしました。生徒さんにとって時間的にも金銭的にも、もったいなかったかもしれません。生徒さんの才能を伸ばし、楽しくヴァイオリンを弾けるようになってもらいたかったので、一生懸命勉強しようと心に決めました。

話は戻りますが、つまり最初に習う先生が、(大人であろうとこどもであろうと)生徒さんの将来の演奏を決定づけてしまうのです!だから最初の先生は慎重に選ぶくらいが丁度よいのです。ただ、実は教えるのが上手なだけではダメなのです。最も大切なのは、生徒さんとの相性の合う先生であることなのです。レッスンに行くのが楽しみ、というくらいでないと続けられませんからね。体験レッスンやレッスン見学に行って、直感的に選ぶのが一番間違いないようです。わたしは趣味の大人でもちいさな子どもでも大歓迎です。遠慮なく相談してくださいね。